個人事業主は個人用、仕事用にわけてクレジットカードを持つべし

      2020/10/25

個人事業主は確定申告必須。
仕事の支払いをプライベートと同じクレジットカードでしている人は確定申告の時、経費計算が大変じゃなかったですか?

ぼくは個人事業主としてはもう20年以上確定申告をしていますが、仕事の支払いのほとんどをクレジットカードにしたのは2年ほど前からです。

プライベートの支払いもほとんどクレジットカードにしていたので確定申告のときは利用明細から仕事用の支払いだけを抜き出して計算していました。

これが面倒臭いんですよね。

解決策は個人用と仕事用に分けてクレジットカードを持つ事です。
その事には気づいてますよね?
多分、クレジットカードを個人用と仕事用に分けて持っておくといいんじゃないかと思ってこの記事を見に来てくれたと思うんです。

結論から言うと個人用と仕事用に分けてクレジットカードを持つ。
それに加えて個人用と仕事用に分けて銀行口座を持つ。

これからの個人事業主としてやっていくにはこの二つは必須です。

これからその理由と使いかたの実例を解説していきます。
仕事用の支払いをクレジットカードにしている個人事業主の方はぜひ参考になさってください。

個人事業主(フリーランス)はクレジットカードを個人と事業で分けた方がいい

個人事業主として仕事を始めてすぐは、それまで使っていたプライベート用のクレジットカードを使う事が多いと思います。
でも結論からいうと、あとあと面倒なことになるのがいやだったら仕事専用のクレジットカードを作った方が絶対いいですよ。

仕訳をするときもプライベート用のクレジットカードで使った仕事の経費は「事業主借」にするなど面倒な事になるんですよ。

クレジットカードの帳簿の書き方はこちらの記事で↓

とりあえずは2枚はカードを持ちましょう

普段使ってない個人名義のカードを仕事用にするのもありです。
要するに個人用と仕事用は別々のクレジットカードにしましょう、という事です。
プライベートと区別出来るビジネスカードを持ちましょう。

ヤフーカード、楽天カードなど年会費無料で作りやすいカードを新規に作ってビジネスカードとして仕事用にするのもありです。

ステイタスを気にするならラグジュアリーカードなんかも選択肢に入れてください。

持ち歩くカードが1枚くらい増えてもいいでしょう?

あなたは普段、何枚くらいクレジットカードを持ち歩きますか?
プライベートと仕事で使い分けるためにもう1枚くらい増えてもいいでしょう。

仕事用として新しく作るなら個人事業主向けの法人カードがいいと思います。
ビジネス用の経費などの支払いに特化している法人カード(名義は個人名義)にした方が何かと便利だからです。

法人カードで年会費無料のものはないんですが法人カードの年会費は経費として計上出来てしまいます。

余談ですが法人名義のクレジットカードというものはなくて、法人登記している会社向けの法人カードも名義は申込者の個人名義なんですよ。

 

個人事業主(フリーランス)は銀行口座も個人と事業で分けた方がいい

クレジットカードの引き落とし先である銀行口座もプライベートと仕事で別にあった方がいいですね。

そうしておけば税務調査に入られたとしても明細を見せなくてはいけないのは仕事用だけです。
これがプライベートの使用も混ざっている口座だと、ひとつひとつ、「これはプライベート、これは仕事に支払い」などと明細を説明する事になるかも知れません。

面倒臭いだけならいいかもしれませんが、一緒くたになっている事で経費と認められないケースも出てくるかもしれませんよ。

そうなれば課税金額が増えて支払う税金が増える事になりますね。
これはどうしても避けたいですよね。

個人事業主(フリーランス)がクレジットカードを分ける理由

一枚のクレジットカード、ひとつの銀行口座、これだと確定申告のとき面倒な事になる

個人事業主として確定申告するとき経費の計算をします。
必要経費はすべて計上してなるべく課税金額を少なくしたいですよね。

白色申告

白色申告であれば帳簿がなくても確定申告を受け付けてもらえます。
それにしても経費の計上は必要です。

クレジットカードで支払った経費を計上するとき、プライベート用のクレジットカードで仕事用の経費を支払っているあなたのする事は、プライベート用と仕事用とがごっちゃになった利用明細から仕事用のものだけを抜き出していく作業です。

これは面倒くさいです。

さらに税務調査が入ったときは経費を計上した元の利用明細または通帳を見せてくれと言われます。

そのプライベート用と仕事用とがごっちゃになった利用明細または通帳を見てこれは経費ではなくプライベートでの支払いだろうと言われて税金の追徴になる可能性もあるかもしれません。

青色申告

65万円の控除が受けられる青色申告の場合は複式簿記の記帳が義務付けられているので、プライベート用と仕事用とがごっちゃになった利用明細または通帳からの仕訳はさらに面倒くさくなります。

65万円の控除が受けられる青色申告をするならプライベートと仕事でクレジットカードを分けるのは必須になるでしょう。

個人事業主(フリーランス)が銀行口座をわける理由

銀行口座をわける理由も同じです。
ビジネス用に分けておけば仕訳のときも複雑にならずに済みますし税務調査に入られてもビジネス用の通帳を見せればいいのでちゃんと経費の計上をしていれば申告漏れを突っ込まれる事はないでしょう。

普段あまり使っていない銀行口座があればそれをビジネス専用にしてしまって大丈夫です。

個人事業主なので一般の個人口座で十分なんです。

営業性個人口座(屋号付き口座)

個人商店なら屋号を口座名に出来る営業性個人口座が作れます。
振込先をショップ名に出来るのでお客さんからの見た目はよくなりますよね。

個人のカードの他に個人事業主向けの法人カードを作りましょう

このところ各カード会社から個人事業主向けの法人カードが出ています。
厳密に言うと個人事業主は法人ではないので個人事業主向けの法人カードという言い方はおかしいのですが「ビジネスカード」という位置付けでしょう。

カード会社の規約によると個人カードは基本的に個人の買い物などの決済にしか使えないとしているところが多いです。
それに対して法人カードはビジネスでの決済に使えると規約に明記してあります。

個人事業主といえどもビジネスでの決済に使うクレジットカードは法人カードが適しているわけです。

個人向けクレジットカードをそのまま使っている人は多い

そうはいっても個人向けクレジットカードをそのまま使っている人は多いです。

もし普段は使っていない個人向けクレジットカードがあったらそれを事業専用にするのはアリです。

ただし引き落とし先がプライベートで使っているカードと同じ場合は口座の変更が必要になります。

すでに説明したようにプライベートと仕事とで銀行口座も分ける必要があるからですね。

この口座の変更は面倒な場合もあるんです。
郵送しか対応していないと預金口座振替依頼書の郵送が必要になり完了まで1ヶ月以上かかる事もあるのです。

楽天カードならネット上で手続きが済みます。
楽天e-NAVIはネット上で印鑑なしで変更出来る。最短数分で完了。

あなたの使っているクレジットカードの引き落とし先口座変更がネット上で可能か調べて見てください。

屋号付き口座

個人事業主がビジネス用の銀行口座を作るなら屋号付き口座がいいです。

個人口座なので名義は個人ですが名称を付ける事が出来るのです。

「〇〇商店」「〇〇ドットコム」のような屋号を付ける事が出来て振込先にもこの名称が使えます。

複数のビジネスをやっている人はビジネスごとに屋号のついた口座を作っておくと便利ですよね。

これから個人事業主向け法人カードを作るならこの3枚

ここまで読んできて仕事専用のクレジットカードを作ろうと思ったのなら、ぜひ個人事業主向けの法人カードを検討してみてください。

法人カードというと審査が厳しめ、必要書類も色々と必要、という印象がありますが、個人事業主向けの法人カードは本人確認書類だけで申し込む事が出来ます。

審査の度合い、年会費など考慮するとおすすめは

  • 三井住友ビジネスカード for Owners
  • オリコ EX Gold for Biz
  • ライフカードビジネスライト

この3枚です。

特徴だけ抜き出すとこんな感じ。

年会費 ポイント キャッシング
三井住友ビジネスカード for Owners 1,250円+税(クラシック)〜54,000円+税 還元率0.5%
リボ払い専用にした場合は還元率1%
国内、海外ともに出来る
オリコ EX Gold for Biz 2,000円+税 (初年度無料 初年度の還元率0.5%だが年間利用料によって実質還元率1.1%まで あり(タイプSのみ)
ライフカードビジネスライト スタンダード 無料
ゴールド 10,000円+税(初年度無料)
スタンダード なし
ゴールド 還元率0.5%
なし

三井住友ビジネスカード for Ownersはクラシック、ゴールド、プラチナと用意されています。
ステイタスを重要視するなら年会費54,000円のプラチナでしょう。

コスパで考えると年会費2千円のゴールドカード、オリコ EX Gold for Bizはおすすめです。
ポイント還元あり、キャッシングあり、旅行中の傷害保険あり、空港ラウンジも使える、など充実しています。

ライフカードビジネスライトのスタンダードカードは年会費が永年無料です。
限度額も最大で200万円までなので、まあ使えると思います。
そのかわり、ポイント還元なし、キャッシングなし、旅行中の傷害保険なしのシンプルなカードです。

それぞれのすペックを見ていきましょう。

三井住友ビジネスカード for Owners

限度額にこだわるなら三井住友ビジネスカード for Ownersのプラチナカードでしょう。
最高で500万円までになってます。(そのかわり年会費は54,000円)

一番の特徴は一人きりでやっている個人事業主からある程度の規模の法人まで使えるカードだという事です。

さらに三井住友VISAカードというステイタス性も値打ちがあるとます。
私は持っていませんが、ここのプラチナカードをスルっと出したいな〜とは思いますよ。

引き落とし口座

三井住友ビジネスカード for Ownersの引き落とし口座は

  • 個人名義口座
  • 個人事業者(屋号)名口座
  • 法人名義口座

使いかたによって選べるようになっています。
法人名義口座に対応しているので法人登記している会社でも使えます。

支払い方法

法人カードには珍しく、支払い方法は

  • 1回払い
  • 2回払い
  • 分割払い・ボーナス払い
  • 一括払い・リボ払い

が利用できます。

キャッシング

法人カードとしては珍しく海外だけでなく国内でもキャッシング出来るようになっています。

(一般の法人カードは海外でのみキャッシングが出来るものが多い)

全国の提携金融機関・ゆうちょ銀行・コンビニのATMで利用できます。

これも三井住友ビジネスカード for Ownersと一般の法人カードとの大きな違いと言えるポイントです。

利用限度額

クラシック(一般)カード 原則10万~80万円
ゴールドカード 原則50万~200万円
プラチナカード 原則200万~500万円

三井住友ビジネスカード for Ownersは追加カードを発行して社員に持たせる事が出来ますが、クラシックカードの限度額80万円では多くても追加カードは2枚ほどが限度でしょう。

親カードプラス追加カードの全部の合計で限度額80万円までだからです。
ある程度の枚数の追加カードが必要ならゴールドカード・プラチナカードを検討すべきでしょう。

年会費

親カード 追加カード1名あたり
クラシック(一般)カード 1,350円 432円
ゴールドカード 10,800円 2,160円
プラチナカード 54,000円 5,400円

従業員を抱えている人からすると追加カードが親カードにくらべてかなり安くなっているのはありがたいです。

追加カードの枚数分、毎年年会費がかかるわけですから。


限度額80万程度でよければクラシックカード(年会費1,350円)だとコスパはいいですよね。

公式サイトでチェックしてみる→三井住友ビジネスカード for Owners

さらに詳しく

 

オリコ EX Gold for Biz

 

個人的におすすめだなぁ〜と思うのがこのカード。
2千円の年会費でゴールドカードの色々な特典がうけられるのは非常にコスパがいいですね。

 

上の方で個人カードを事業に使っているとカード会社から警告を受けることがあると書きましたが、このような法人カードでは規約にビジネスに使うカードだと明記してあります。

<取引目的>
このカードは、申込者が営業のために又は営業としてする取引(事業費決済および事業費融資)専用のカードです。

 

オリコ EX Gold for Bizは個人事業主用と法人代表者用の2種類のカードが用意されています。

EX Gold for Biz S
iD×QUICPay
EX Gold for Biz M
iD×QUICPay
対象 個人事業主 法人代表者
年会費 2,000円+税 (初年度無料
追加カード なし 3枚まで発行可
(年会費無料)
ETC発行枚数 1枚 各カード1枚
(追加カード1枚に付きETC1枚)
ETC年会費 無料
キャッシング機能 あり なし
電子マネー Mastercardブランドは「Mastercardコンタクトレス」、
Visaブランドは「Visaタッチ決済」
限度額 10万円~300万円
国際ブランド  VISAあるいはMastercard
海外旅行保険 2,000万円
国内旅行保険 1,000万円
ショッピング保険 最高100万円
ポイントプログラム オリコ「暮らスマイル」
EX Gold for Biz会員は利用金額スマイルに20%加算
支払い方法 1回払い、分割払い、据置き一括払い、リボルビング払い

個人事業主用のタイプSと、法人代表者用のタイプMに分かれています。

主な違いは

親カードと同じ機能の追加カードと複数のETCカードが作れるか

●タイプS

追加カードなしで、ETCカードも一枚だけ。

●タイプM

追加カード3枚まで、追加カード1枚につきETCカードを一枚作れるので、親カードと合わせると4枚までETCカードが作れる。

キャッシング機能

キャッシング機能はタイプSにしかありません。


一人きりの個人事業主ならまよわずタイプSです。
三井住友カードほどのステイタス性はありませんがコスパのよいバランスがとれたカードだと思います。

公式サイトでチェックしてみる→EX Gold for Biz

さらに詳しく

 

ライフカードビジネスライト

 

年会費永年無料の法人カードならライフカードビジネスライトのスタンダードの方です。
スペックを見てください。

スタンダード ゴールド
カードデザイン
年会費 永年無料  10,000円
(初年度無料)
国際ブランド Mastecad、VISA、JCB
申し込み対象者 法人代表者、個人事業主
限度額 10〜200万円
追加カード 最大3枚(年会費無料)
ETCカード 1枚まで(年会費無料)
申し込み必要書類 申込者の本人確認書類
支払い方法 1回、2回、3〜20回、ボーナス一括、リボ
ポイント還元率 なし 最大0.5%
ラウンジ利用 なし 国内空港のラウンジ
国内旅行保険 なし 最高1億円(自動付帯※)
海外旅行保険 なし 最高1億円(自動付帯※)

※自動付帯とはカードを所有しているだけで無条件に保険が受けられるという事。

実にはっきりしていて年会費永年無料のスタンダードカードはポイント還元なし、キャッシングなし、旅行中の傷害保険なし、とシンプルなカードとなっていますね。

そに対してゴールドカードは空港ラウンジ使用OK、旅行保険も最高1億円と充実しています。

公式サイトでチェック→ライフカード ビジネスライト スタンダード

公式サイトでチェック→ライフカードビジネスライト ゴールド

さらに詳しく

まとめ

個人事業主ならプライベートと仕事でクレジットカードを分けた方が絶対いいですよ、という解説をしてきました。

もし普段は使ってないクレジットカードがあったら手始めにそれを仕事専用にしてください。
引き落とし先はプライベートと違う銀行口座になっているとグッドです。

これからキャッシュレスはどんどん進んでいくので今のうちにビジネス面でも用意をしていきしょう。


以上「個人事業主は個人用、仕事用にわけてクレジットカードを持つべし」という記事でした。
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