ETCコーポレートカードとは割引率の高い事業者向けのETCカードです

   


物流関係の業者さんならお馴染みのETCコーポレートカード。
なんと言ってもその魅力は高い割引率。

通常のETC割引が適用されたあとに加えてETCコーポレートカード独自の高い割引が受けられます。

今回は従業員に渡して使う業務用のETCカードがたくさん必要になる業者さん必見の記事です。

この記事でわかること
●ETCコーポレートカードとは何?
●ETCコーポレートカードの作り方
●ETCコーポレートカードのメリット・デメリット
●ETCコーポレートカードデメリットの解決策

ETCコーポレートカードとは事業用のETCカード


ETCコーポレートカードとは道路会社のNEXCOが発行しているETCカード。

事業に使うとメリットがあるように作られています。

ある程度の台数の車両を保有する企業ではそのメリットを十分に生かす事が出来ます。

物流ではトラック運送会社、旅客業ではタクシー会社、バス会社など。

一般個人でも作る事は出来ますがETCコーポレートカードのメリットを生かすことは難しく、デメリットばかりです。

ETCコーポレートカードと普通のETCカードとの違いは?

クレジットカードの追加カードとして作れる普通のETCカードとの違いはなんでしょうか?

高い割引率

ETCカードには夜間割引、休日割引、朝夕割引などがあります。

ETCコーポレートカードも基本はETCカードなのでそれらの割引適用になります。

その普通のETC割引に加えてETCコーポレートカード特有の「大口・多頻度割引き」などがあるんです。

ETCコーポレートカード特有の割引きは3つ

  • 平日朝夕割引き(ETCマイレージサービスで受けられる還元型の割引きとは別のもの)
  • 大口多頻度割引き
  • 首都高・阪神高速割引き

平日朝夕割引き

時間帯によって受けられる割引。

時間帯と対象になる道路が決まっています。

朝と夕方、それぞれ一回だけ、いわば通勤割引。

一日に何度か平日朝夕割引きの対象になる走行があったとしても割引きになるのは一日では最高二回です。

大口・多頻度割引き

仕事でETCを大口利用する事業者を対象とした割引。

大口多頻度割引の種類は二つ。

●車両単位割引

車一台の一ヶ月の利用料に対して割引きされる。

5,000円を超え、10,000円までの部分 割引率:10%(※20%)
10,000円を超え、30,000円までの部分 割引率:20%(※30%)
30,000円を超える部分 割引率:30%(※40%)

※ETC2.0搭載車両に限り適用される割引率。(平成30年3月末まで)

●契約単位割引

契約者の1ヶ月の高速道路の利用額合計が500万円を超え、かつ、契約者の自動車1台あたりの1ヶ月平均の利用額が3万円を超える場合、割引率:10%

これは契約者がある程度大きな会社で何十台も車を登録している場合です。

1ヶ月の高速道路の利用額合計が500万円超え

車1台あたりの1ヶ月平均の利用額が3万円超え

つまり会社単位での利用額合計が月500万を超えていて、かつ所有している車1台あたりが平均で3万以上使っている。

この条件を満たしていると10%の割引きになる。

 

これは車両単位割引とは別なので条件をみたしていれば両方の割引が受けられてある程度の大規模の会社にとってはかなりの経費削減になる。

 

首都高・阪神高速割引き

首都高・阪神高速の割引きは協同組合経由申し込むと受けられる割引です。

協同組合経由のETCコーポレートカードのオプションという位置付けですね。

クレジット審査なし

ETCコーポレートカードの発行元は道路会社のNEXCOです。
クレジットカード会社ではありませんのでクレジット審査は無しです。

法人向けクレジットカードは審査が厳しい

一般の個人ならクレジットカードを作れば付帯するETCカードが簡単に作れます。

しかし企業で使えるETCカードを作るには法人向けクレジットカードを作りそれに付帯する法人ETCカードを作らないといけません。
従業員に渡して使える請求先が会社の口座になっているETCカードをクレジットカードから作るにはそうしなければならないんです。

この法人向けクレジットカードの審査が結構厳しめなんです。
設立直後で信用力や実績のない会社だと審査に通らない事が少なくありません。

ETCコーポレートカードならクレジット審査なしで作れる

前述したようにETCコーポレートカードの発行元は道路会社のNEXCOなのでクレジット審査は必要ないんです。

ETCコーポレートカード申し込みのときに独自の審査がありますがまともな会社なら問題にならないでしょう。

ETCコーポレートカード申し込み審査のポイント
●会社名義で所有する車に使用するのか
●ETC車載器搭載車両なのか
●これまでにETC料金の支払いトラブルがないか
●これまでに車両制限令違反をしていないか

ETCコーポレートカードの作り方

ETCコーポレートカードの作り方は次の二つです。

  • NEXCOに直接申し込む
  • 協同組合経由で申し込む

これ以外に作る方法はありません。
一般に人が使うものではないので作り方は簡単ではありません。

NEXCOに直接申し込む

発行元であるNEXCO道路会社に申し込みます。
クレジットカードのようにネットから簡単に申し込めるようにはなっていません。

NEXCOのサイトに行き申込書をダウンロードしてこないとだめなんです。

↓申込書ダウンロード
ETCコーポレートカード利用申込書

↓詳しい規定
ETCコーポレートカード利用約款(467KB)

NEXCOに直接申し込んだ方がメリットのある場合

ある程度の規模の企業であれば直接申し込むメリットはあります。

契約者割引が受けられる

契約単位割引
契約者の1ヵ月の割引対象道路のご利用額の合計が500万円を超え、かつ、契約者の自動車1台当たりの1ヵ月の割引対象道路の平均利用額が3万円を超える場合には、契約者の1ヵ月の割引対象道路のご利用額の合計に対し、5%の割引を行います。

これは契約している事業者の1ヵ月の会社全体の利用額に対しての割引。
利用額が1ヶ月500万円以上が条件なのでかなりの数の車両を保有して事業をしている会社でないと対象になりませんね。

でもそれぞれ1枚づつのETCコーポレートカードの割引の他にこの契約単位割引が適用になると会社全体としてはかなりの経費削減になるでしょう。

取引をしている金融機関からの支払い保証

NEXCOで直接ETCコーポレートカードを申し込むには支払い保証が必要になります。

支払い保証の方法は二つ。

●金融機関による支払い保証。
●保証金を預け入れる。

ある程度の企業なら普段から取引していて信用のある金融機関があるでしょう。
そういう取引金融機関なら支払い保証を頼めます。

保証金を預け入れるとなると1ヶ月の利用額の4倍程度必要になり、大きな企業だとかなりの高額になってしまいます。

取り扱い窓口

その他詳細は各取扱窓口へ連絡して聞いてください。

NEXCO東日本
北海道支社 札幌市厚別区 011-896-5315 NEXCO東日本
東北支社 仙台市青葉区 022-217-1908
関東支社 東京都台東区 03-5828-8406
新潟支社 新潟市西区 025-234-7136
中日本高速道路株式会社
東京支社 港区虎ノ門 03-5776-5679 NEXCO中日本
八王子支社 八王子宇津木町 042-691-1171
名古屋支社 名古屋市中区 052-222-1230
金沢支社 金沢市神野町東 076-240-4954
西日本高速道路株式会社
関西支社 茨木市岩倉町 06-6344-9288 NEXCO西日本
中国支社 広島市安佐南区 082-831-4477
四国支社 高松市朝日町 087-823-4063
九州支社 福岡市中央区 092-762-3205
高速情報協同組合
本社 福岡県北九州市 093-531-1356

 

協同組合経由で申し込む

協同組合ってなに?

思い浮かべてほしいのが「農協」です。

小さな農家さんが集まってお互い助け合うための団体、それが「農協」農業協同組合です。

ETCコーポレートカードを扱っている協同組合は中小企業である運送会社や旅客業の会社などが集まって作っている団体です。

その種の協同組合は全国にたくさんあり、ETCコーポレートカードを扱っているところも多いです。

 

前の項でETCコーポレートカードを作るには支払い保証が必要でその方法は二つあると書きました。

●金融機関による支払い保証。
●保証金を預け入れる。

小さな会社ではなかなか金融機関による支払い保証は頼めません。

かといって保証金を預け入れるとなるとそれなりの現金が必要になります。

ここで協同組合という選択肢が出てくるんです。

協同組合経由でETCコーポレートカードを作るには組合に加入して組合員にならなければいけないんですが、そうする事によって支払い保証をしてくれるのです。

ETCコーポレートカードのメリット・デメリット

ETCコーポレートカードのメリット・デメリットを見ていきましょう。

メリット

高い割引率

大口・多頻度割引が適用されるのはETCコーポレートカードだけです。
経費削減をしたい法人・個人事業主には必須のETCカードでしょう。

クレジットの審査なしで法人向けのETCカードが作れる

発行元はNEXCO道路会社でETCカード(ETCコーポレートカード)のみを作ります。
クレジットカードではないのでクレジット審査はありません。

カード会社のクレジットの審査に通らず事業で使うETCカードが手に入らなかった法人・個人事業主にとっては大きなメリットだと思います。

従業員に渡して使えるETCカードが必要な枚数作れる

クレジットカード付帯のETCカードでは枚数制限があるのが普通です。
ETCコーポレートカードなら枚数の制限なく必要な数だけ作れます。

デメリット

クレジットカードのように簡単な手続きでは作れない

クレジットカードであればネットからの簡単な申し込みで作れますがETCコーポレートカードは手続きが面倒です。

発行まで時間がかかる

必要書類を送る手間もあり発行まで2〜3週間くらいかかります。

必要書類が多い

法人向けクレジットカードを作るよりも必要書類が多いです。

法人が作る場合 個人事業主が作る場合
法人登記簿
印鑑証明
保証人の印鑑証明(保証書による支払い保証を場合)
車検証
印鑑証明
保証人の印鑑証明(保証書による支払い保証を場合)
車検証

支払い保証が必要

後払い式のカードであるため前の項で説明したように支払い保証が必要になります。
支払い保証の方法は二つ。

●金融機関による支払い保証。
●保証金を預け入れる。

金融機関による支払い保証はある程度大きい企業じゃないと無理でしょう。
保証金は1ヶ月の利用額の4倍程度の金額を最初に預け入れます。

車両限定

ETCコーポレートカードを申し込む時には使用する車両をカードにひも付けて1台登録する必要があります。
ETCコーポレートカードを使えるのは登録した車両でだけです。1枚につき1台ということ。
他の車では使えません。

●ETCコーポレートカードを登録車両以外の違う車で使うとどうなる
まずETCコーポレートカード特有の割引が適用にならない。
さらに使い続けると警告を受けてカード解約になる事もある。

ETCコーポレートカードにはETCマイレージは付かない

普通のETCカードはETCマイレージが付くのですがETCコーポレートカードには付きません。

●ETCマイレージを使う場合とどちらが得か?
月間利用額が3万円以下だとETCマイレージを使う方が得です。
つまり月間ETC利用額が少ない個人などではETCコーポレートカードを使う意味はありません。

デメリット解決策

デメリットのうち、
●クレジットカードのように簡単な手続きでは作れない
●支払い保証が必要

この2点に関しては協同組合経由で申し込みをする事で解決します。

協同組合のETCコーポレートカードならネットからの申し込みが出来て手続きは簡単。

協同組合に加入すれば組合が支払い保証をしてくれる。

NEXCO→協同組合→組合員(あなた)

こういう関係になりNEXCOに対して組合員の支払い保証を協同組合がしてくれるのです。

ETCコーポレートカードの評判・口コミ

東京都北区・建築業 東京都北区・建築業

クレジットカードの追加カードとしてETCカードを作って使用してました。割引率が高く経費削減になると聞いて高速を頻繁に使う車両だけETCコーポレートカードに変えてみたところ、年間ベースでは結構な経費削減になっています。。

神奈川県・リサイクル業 神奈川県・リサイクル業

知りあいからETCコーポレートカードを紹介されて導入してみました。その結果、月に10〜12万円程度、経費を削減出来て満足しています。。


東京都世田谷区・タクシー業 東京都世田谷区・タクシー業

タクシー会社を経営、25台の車両を所有しています。
経費の事を考慮して割引率の高いETCコーポレートカードにしました。お客さんにも好評です。


埼玉県草加市・青果業 埼玉県草加市・青果業

都内への配送で首都高の利用が多いのですが、首都高がしっかりと割引になるカードがありませんでした。ETCコーポレートカードで経費を抑える事が出来ました。

島根県・食品加工業 島根県・食品加工業

自社工場から広島の市場までの定期便ルートがあります。
ETCコーポレートカードを導入してから年間で約90万の経費削減が出来るようになりました。


千葉県市川市・建設業 千葉県市川市・建設業

法人向けクレジットカードを使いETCカードを必要枚数作り従業員に渡して使っていました。会社の車両は60台ほどです。
毎月の割引額は5万円ほどでした。
知りあいから割引率の高いETCコーポレートカードの事を聞いてすぐ切り替えたところ、月の割引額が50〜60万になりました。

茨城県・トラック運送 茨城県・トラック運送

毎日、首都高速、東京湾アクアラインを使っているのですが首都高はETCコーポレートカード以外は割引がないので、マストアイテムになっています。

まとめ

ETCコーポレートカードとはNEXCO道路会社が発行している事業者向けのETCカード。

一般のETCカードよりも高い割引率が特徴。

一般のETCカードとの違いは
●クレジット審査なしで作れる
●大口・多頻度割などの高い割引率

ETCコーポレートカードの作り方はふた通り

●発行元のNEXCOに直接申しこむ
●協同組合経由で申し込む

ETCコーポレートカードのメリット
●一般のETCカードよりも高い割引率で経費削減になる。
●クレジット審査無しなので信用力の弱い起業したての会社、中小企業・個人事業主でも作れる。

ETCコーポレートカードのデメリット
●登録した車両と紐づいていて1枚のETCコーポレートカードで使える車両は1台に限定される。
●申し込み手続きが面倒。
●金融機関の支払い保証、または多額の保証金の預け入れが必要。

ETCコーポレートカードのデメリットの解決策
協同組合経由で申し込むと
●ネットから簡単に申し込める
●組合が支払い保証を受け持ってくれて保証金も必要ない。

中小企業の方や個人事業主は協同組合経由でETCコーポレートカードを申し込むのが簡単な方法です。
ETCコーポレートカードの高い割引き率を経費削減に役立ててください。


以上「ETCコーポレートカードとは割引率の高い事業者向けのETCカードです」という記事でした。
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