法人カード作成の必要書類、登記簿とか面倒だと思っているあなた、これを読みなさい
2020/03/28
法人カード作成の必要書類、登記簿とか面倒だと思っているあなたにまず言いたいのは登記簿など用意しなくても作れる法人カードはあるという事。
「そうか、それでいいや」という方はこのページの下の方で本人確認書類のみで作れる法人カードを紹介します・・・だけど、
ちょっと待ってください。
あなたが個人事業主や2、3人規模の法人経営者ならいいんですが、それ以上の規模の会社だとスペック的に使えないカードの場合もあるんです。
そうなるとやはり登記簿などの書類が必要な法人カードも検討しなくてはいけませんね。
今回の記事では個人事業主または会社経営者のあなたに向けて法人カード作成必要書類について解説します。
・ネットで登記簿を取り寄せる方法
・赤字経営でも法人カードは作れる
・営業実績3年以上ないとダメ、というのは昔の話
・本人確認書類のみで作れる法人カードは結構ある
目次(見たいポイントに直行)
法人カード、必要書類なんて適当でいい?
アウト〜!適当では審査に通らない
的確な書類でないとそれが原因で審査に落ちる事も当然ありますよ。
面倒クサイといって不備のある書類を送ると訂正や補完する書類が必要になりかえって手間がかかりよけい面倒な事になってしまうんです。

本人確認書類か〜、この前取ってきた住民票があったな。あれでいいか。

この住民票は発行から6ヶ月以上経過しているので本人確認書類としては認められません。

ひゃ〜、住民票を取り直してもう一回郵送しなおさなきゃだめか〜、2度手間〜、どんだけ〜!。
必要書類のおさらい
不備のある書類が戻されて2度手間にならなように必要書類についておさらいしますよ。
法人カード作成は個人カードのように本人確認書類を写メして送って完了というわけにはいきませんのでね。
個人カードの本人確認手段は簡単になってきているが・・
個人カードの本人確認手段はどんどん手間いらずになっていきます。
申し込んだカードを宅配業者が配達してきて玄関口で本人確認書類を確認して渡すという方法もあります。

本人確認書類を見せてください。
このとき免許証などが用意出来ないと宅配業者はカードを渡さずに帰ってしまいます。
個人カードならこんな簡単な確認作業だけでカードを受け取れるのです。
しかし法人カードの場合はそうはいきませんよ。
本人確認書類だけで作れるものもありますが、それ以外はやはり登記簿などを郵送する手間がかかってしまいます。
法人カード必要書類
基本的なものは次の三つです。
• 登記簿謄本または印鑑証明書
• 代表者の本人確認書類(運転免許証、パスポート等)
• 引き落としの為の銀行口座(法人の場合は法人口座、個人事業主は個人口座)、および口座振替依頼書
登記簿の取り方
登記簿謄本または印鑑証明書は法人である事を確認する書類です。
登記簿謄本・印鑑証明書は法務局で扱っているもの。
登記簿謄本は
- 現在事項全部証明書(現時点での登記の情報)
- 履歴事項全部証明書(過去3年前までの履歴を含む情報)
などがある。
印鑑証明書は法人として法務局に印鑑登録してあれば発行してもらえる。
どちらも、いちいち法務局まで行かなくてもネットで取り寄せる事が出来ます。
↓ネットで申し込みをして登記簿・印鑑証明書を郵送してもらう手順
本人確認書類
本人確認書類は次のようなものがあります。
- マイナンバー
- 運転免許証 (コピーのみ)
- 運転経歴証明書 (コピーのみ)
- パスポート (写真および住所のページ)
- 在留カード (住所変更があった場合は両面とも)
- 特別永住者証明書 (住所変更があった場合は両面とも)
- 住民票の写し (発行から6ヶ月以内のもの、原本またはコピー)
- 健康保険証+現住所が確認できる補完書類
補完書類
たとえば登記した後に引っ越しをした場合、登記簿の住所と現在の住所は違っています。
これを修正するために補完書類が必要になるのですよ。
この場合だと現住所を証明する書類、
・国税または地方税の領収証書または納税証明書
・社会保険料の領収証書
・公共料金の領収証書(電気・ガス・水道・固定電話・NHK受信料のみ受付可)
などが補完書類として使えます。
口座振替依頼書
指定した銀行口座からの引き落としをクレジット会社と銀行に依頼する書類です。
金融機関名、支店名、自分の会社名、正確に書かなくてはいけませんよ。
銀行届出印もしっかりとわかるように押さなくてはいけません。
これ、いい加減にやると何回もやり直しさせられて、とんでもなく面倒な事になるのでなめてはいけませんよ。
その他の書類
法人カードによっては次のようなものが必要になる場合があります。
・定款
・事業報告書
・有価証券報告書
ただし一般的な法人カードでは、ほぼ必要になることはないでしょう。
申し込みフォームの書き方
ネットの申し込みフォームは正直に書きましょう。
盛りたくなる気持ちはわかりますが、後から辻褄があわなくなってきて審査にも影響してしまいます。

赤字だって書くのはいやだな〜
赤字経営だから審査に落ちるという事はありませんよ。
儲かっていても税金対策で赤字にしている会社は多いですし、カード会社からするとそういう会社には使って欲しいと思っていますよ。
法人の実質的支配者とは何か
申し込みフォームの項目で「実質的支配者」というのがあります。
個人事業主であれば関係ない項目ですが法人だと記入する必要があります。
2016年10月1日の「犯罪収益移転防止法」改正に伴い、すべての法人のお客様は実施的支配者を申請いただく必要があります。
犯罪収益移転防止法は資金洗浄(マネーロンダリング)や資金そのものが犯罪組織(テロ組織)に渡らないための法律です。
会社を支配出来る人物は取締役社長ではない場合は多くあります。
たとえば株式会社の場合、株を50%以上保有している株主は文句なく会社を支配出来ます。
その株主が犯罪組織と関係していたら、その会社は資金洗浄(マネーロンダリング)に悪用される可能性は出てきますよね。
これを防止するために実質的な支配者を明確にして届け出る必要があるのですよ。
これはあくまで社外に大株主がいるような規模の大きな会社の場合だけですね。
申し込むときはここに注意
何度もやり直ししないために注意して欲しいポイントです。
法人口座
法人口座開設はへたすると4週間以上かかってしまう事もあるので新規に作る場合は余裕をもってかなり前から準備しましょう。
必要書類と申込書の法人印が違う
オンラインではなく申込書を自分で取ってきて書き込む場合。
申し込み書には色々と必要事項を書き込んで必要書類と一緒に郵送するわけですが、申込書に押した法人印が新しいもので、以前の必要書類に使ったものから変更になっている場合があります。
こういう場合は新たに印鑑証明を取る必要が出てきます。
必要書類の有効期限が切れている
登記簿、住民票などの有効期限はだいたい半年です。
有効期限の切れている書類は使えませんので注意です。
オンライン申し込みフォームと必要書類の情報が違う
オンラインだと申し込んだあとに最初の案内が郵送されてくる。
その案内通りに必要書類を返送するわけですが、オンラインの申し込みフォームに書いた情報とその返送する書類の情報が違っていると面倒なので要チェック。
引っ越しなどで現住所が書類と違っている場合は現住所を証明する補完書類を一緒に送らなくていけないんですよ。
法人カードを作るのって面倒くさい
さてここまで法人カードを作るさいの必要書類について書いてきましたが、
結構メンドくさいな〜って思いましたか?

思いました!
でも
あなたが個人事業主または小規模の会社経営者なら面倒な必要書類を揃えなくても法人カードは作れるんです。
各カード会社からは個人事業主または小規模の会社経営者向けに本人確認書類だけで作れる法人カードが発行されています。
免許証があればOK、しかも個人カードのように写メをアップして申し込むタイプの法人カードもあります。
最初は限度額が少ないですが半年以上使い続けていくうちに実績がついて限度額をあげていくことができるでしょう。
こつこつと毎月遅延せず支払いをしていけば信用情報は積み重なっていきます。
そうやって法人カード使用の実績がついて来たら、ワンランク上の法人カードも審査に通る可能性は高くなります。
本人確認書類だけで作れる法人カード | 本人確認書類と法人確認書類が必要な法人カード |
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やはり法人カードはあった方がいい、そのメリット
●法人口座
法人口座を引き落とし口座に設定出来るのは法人カードだけです。
●資金繰り
大きな利益を出すには大きな取引を成立させたいですよね。
限度額の高いクレジットカードを持っていれば現金がなくても大きな取引をする事が出来るわけです。
引き落とし日まで資金に余裕を持たせる事が出来る。
大量の商品を仕入れ、カードで支払いをし、その商品を売る。
そして翌月または翌々月の引き落としまで売り上げ金が入ればまわしていけるというわけです。
●経理処理
クラウド会計ソフトとクレジットカードの組み合わせは経理処理を圧倒的にスピードアップ出来ます。
個人カードでもクラウド会計ソフトは使えますけど、法人口座・法人カード・クラウド会計ソフト。この組み合わせが最強でしょう。
専門の経理担当がいない場合は必須アイテムだと思いますよ。
本人確認書類だけで作れる法人カード
個人事業主は法人ではないけど法人カードを使った方がなにかと効率よくなるのは事実です。
わたしも個人事業主でずっと個人カードを仕事に使っていましたが、本人確認だけで作れる法人カードが出たらすぐにそちらにしてしまいました。

法人口座作るのが面倒くさそうじゃんか!

実は〜個人口座でも作れる法人カードもあるんですよ〜。
おすすめの本人確認書類だけで作れる法人カードを見ていきましょう。
オリコ・エグゼクティブ・ゴールド・フォービズ
個人事業主と小規模法人用に2種類用意されている。
個人事業主用のタイプS
法人代表者用のタイプM
EX Gold for Biz S iD×QUICPay |
EX Gold for Biz M iD×QUICPay |
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対象 | 個人事業主 | 法人代表者 |
年会費 | 2,000円+税 (初年度無料) | |
追加カード | なし | 3枚まで発行可 (年会費無料) |
ETC発行枚数 | 1枚 | 各カード1枚 (追加カード1枚に付きETC1枚) |
ETC年会費 | 無料 | |
キャッシング機能 | あり | なし |
電子マネー | Mastercardブランドは「Mastercardコンタクトレス」、 Visaブランドは「Visaタッチ決済」 |
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限度額 | 10万円~300万円 | |
国際ブランド | VISAあるいはMastercard | |
海外旅行保険 | 2,000万円 | |
国内旅行保険 | 1,000万円 | |
ショッピング保険 | 最高100万円 | |
特典 | 空港ラウンジが使える。 国内主要空港とハワイのダニエル・K・イノウエ空港(旧ホノルル空港)、韓国の仁川空港のラウンジを365日無料で利用できます。 |
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ポントプログラム | オリコ「暮らスマイル」 EX Gold for Biz会員は利用金額スマイルに20%加算 |
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支払い方法 | 1回払い、分割払い、据置き一括払い、リボルビング払い |
個人事業主用のタイプSは引き落としを個人の口座に設定出来る法人カード。
完全に一人でやっている個人事業主用で社員用の追加カードは作れない。
法人カードなのにキャッシング機能がついている。
限度額を低めに設定すれば、かなり審査に通りやすい法人カードであると言えますね。
法人代表者用のタイプMは引き落としが法人口座になりますが、審査は申し込み者本人が対象になり個人信用情報に問題がなければ(支払いの延滞など)審査に通りやすいと思います。
年会費2千円で空港ラウンジが使えるのも貴重です。
飛行機での出張がある人なら絶対使いたくなるはずです。

VIP待遇で搭乗までの待ち時間が過ごせるラウンジは快適ですよ!
↓詳しくは
三井住友ビジネスカード forOwners
三井住友ビジネスカード for Ownersの主な特徴は次の三つです。
- 本人確認書類のみで作れる
- 分割払い、リボ払いが使える
- キャッシングができる
詳しいスペックは次のようになっています。
クラシックカード | ゴールドカード | |||
---|---|---|---|---|
ショッピング枠 | 10万~80万円 | 50万~200万円 | ||
支払日 | 15日締/翌月10日 月末締/翌月26日 |
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年会費 | 本会員 | 1,350円 (Web明細で810円) (マイ・ペイすリボで無料) |
10,800円 (Web明細で9,720円) (マイ・ペイすリボで5,400円) (併用で4,320円) |
|
追加カード | 432円 | 2,160円 | ||
ポイント還元率 | 0.5%(マイ・ペイすリボ利用で1%) | |||
カード利用による年間ボーナス | 最大0.05% | |||
空港ラウンジ | なし | ○ | ||
ドクターコール24 | なし | ○ | ||
その他特典 | なし | VISAゴールドカード特典 | ||
ショッピング保険 | 100万円(海外) | 300万円(国内/海外) | ||
海外旅行傷害保険 | 適用条件 | 利用付帯 | 自動付帯 | |
死亡・後遺障害 | 2,000万 | 5,000万 | ||
傷害治療 | 50万 | 300万 | ||
疾病治療 | 50万 | 300万 | ||
救援者費用 | 100万 | 500万 | ||
賠償費用 | 2,000万 | 5,000万 | ||
携行品損害 (免責3,000円) |
15万円(1旅行/年間) | 50万円(1旅行/年間) | ||
国内旅行傷害保険 | 適用条件 | なし | 利用付帯 | |
死亡・後遺障害 | なし | 5,000万 | ||
入院費用 | なし | 5,000円/日 | ||
手術費用 | なし | 最高20万 | ||
通院費用 | なし | 2,000円/日 |
三井住友ビジネスカード for Ownersの引き落としは
- 個人名義口座
- 個人事業者(屋号)名口座
- 法人名義口座
となっているので、法人口座を作らなくても申し込めますね。
クラシックカードは年会費1,350円とリーズナブルですが空港ラウンジが使える特典は残念ながらありません。
しかし追加カードが作れないオリコ・エグゼクティブ・ゴールド・フォービズのタイプSと比べるとこちらは年会費一枚432円で社員に渡せる追加カードが作れてしまいます。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカード
一般的な法人向けカードよりも利用可能枠を大きく設定出来ます。
仕入れなどの高額決済にも対応。
なんといってもプラチナカードのステイタスですよ。
年会費 | 20,000円(税別)(年間200万円以上のカード利用で翌年年会費10,000円になります) |
---|---|
発行手数料 | なし |
追加カード | 本カードとほぼ同様のサービスを受けられる追加カードの発行が4枚まで可能年会費:一枚につき3.000円 |
ETCカード | ETCカード発行枚数4枚まで年会費:なし |
使用出来る車両 | 車両の限定はありません。 レンタカー、従業員の車でも利用できます。 |
備考 |
|
一般的にプラチナカードは招待がないと申し込むことが出来ません。
ゴールドカードユーザーが延滞などの問題なしに半年以上使い続けていると、カード会社から「プラチナカードへのランクアップはいかがでしょうか」というような招待メールが来て申し込めるケースがほとんどです。
優良なユーザーだと認められてはじめてプラチナへの招待が来るのです。
しかしこのセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカードは、カード会社からの招待なしで申し込めます。

正直、なんだか有り難みが薄く感じてしまうのはわたしだけでしょうか。
でも年会費2万円を払えばプラチナカードのステイタスが手に入るのです。
もちろんプラチナカードランクの特典・優待が用意されていますよ。
審査はシンプル、本人確認書類だけで、あとは電話確認(個人番号でOK )だけで審査完了してしまいます。
本人確認書類を運転免許証にする場合はWEBの申し込みフォームに12ケタの免許証番号を入力するだけ済んでしまいます。
限度額100万円~最大1000万円となっていますので、作りたては100万でしょうが、使い続けていけば結構な額まであげられます。

でも年会費2万円は高いな〜

それなんですけど、年間200万円以上使っていれば翌年の年会費1万円になるんですよ!
まとめ
以前の法人向けのクレジットカード作成には会社登記簿の取り寄せや2年以上の業績が必要になったりと、何かと手間がかかりました。
しかし最近の法人カードはものによってかなり簡単な流れで作れるようになってきましたね。
ただしそういう法人カードだと限度額が低かったり、追加カードが作れなかったりという欠点はあります。
でも最初の法人カードとしてはかなりオススメ出来るスペックを持っています。
あなたが法人カードを初めて作るなら、限度額は低いけれども作りやすいこのような法人カードをまず作って毎法月遅延せず支払いをして信用情報を積み重ねてから、ワンランク上の法人カードにトライするのが賢いやり方だと思いますよ。
以上「法人カード作成の必要書類、登記簿とか面倒だと思っているあなた、これを読みなさい」という記事でした。
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